


わたしたちについて


東日本大震災から11年目の2022年1月……。
この10年間、声を上げることができなかった福島県の小児甲状腺がんの患者がついに立ち上がります。
原発事故当時の幼稚園生から高校生まで男女6人が、東京電力を訴える裁判の原告になるのです。311甲状腺がん子どもネットワークは、この裁判を全面的に支えるために活動を開始しました!

東京電力福島第一原発事故。
この原発事故によって放出された放射線にさらされ、甲状腺がんを発症した子どもたちがいるのを知っていますか?
小児甲状腺がんは、通常100万人に1〜2人(年間)と言われる極めて珍しい病気で、チェルノブイリ原発事故後に増えたことが知られています。こうした教訓をうけて、東京電力福島第一原子力発電所事故後、政府は東京電力と1000億円の県民健康管理基金を新設し、事故当時18歳以下だった福島県民38万人を対象に、甲状腺検査を実施してきました。
その結果、この10年間で、約300人もの子どもや若者が小児甲状腺がんと診断され、手術を受けています。また、この中には、再発や遠隔転移している子どももいます。しかし、国や福島県は、原発事故とこの小児甲状腺がんに因果関係はないと主張をしています。

自分はなぜ、稀少な病気である小児甲状腺がんになったのか……。
将来、再発や転移は起きないのか……。
こうした思いを抱えながらも、多くの患者がこの10年間、声を上げることができずに過ごしてきました。若い彼・彼女たちは、進学や就職といった人生の大切な時期に、手術や治療を経験し、苦労を重ねています。それでも多くの患者たちは、差別や偏見を恐れ、孤立してきました。
そんな患者たちがついに立ち上がります。
裁判という形での取組みは、多くの準備と支えが必要です。まだ10代、20代の患者には、訴訟を起こせるだけの貯えもありません。私たち「311甲状腺がん子ども支援ネットワーク」は、苦しみ、孤立してきた彼らの力になれたら、という思いで、裁判費用のバックアップなど、彼らを支える活動を行っていきます。

裁判について




「311子ども甲状腺がん裁判」は、原発事故に伴う放射線被曝と病気との因果関係を立証し、被害者への補償を求めるものです。さらに、この裁判の先には、全ての患者が救済されるよう、新たな制度の実現し、甲状腺がんという病気と長く付き合っていかなければならない患者が将来的に安心して過ごせることを目指しています。
東京電力福島第一原発事故と病気との因果関係を争う、住民による初の集団訴訟です。裁判は長期化する可能性もあります。原発事故の被害を受けた子ども・若者が、未来を向いて、不安なく過ごすことができるように、わたしたちと一緒に応援しませんか。多くの方からのご支援をお待ちしています。
弁護団からのメッセージ
弁護団長 井戸謙一弁護士

曇りない目で見れば 、福島で小児甲状腺がんが多発していることは明らかであり、その原因は被ばくであることしか 考えられません。しかし、その明白な事実が大きな力で否定され、多くの若者が先の見えない生活の中で苦しんでい ます。被害は補償されなければなりません。何が事実であり、何が正義なのか、司法の場で明らかにしたいと思います。

副団長 河合弘之弁護士
放射能による健康被害、特に甲状腺がんは決して見過ごすことが許されない問題です。名前を秘にして戦うことがで きます。真実を追求し、正義を貫くために私達は立ち上がる必要があります。若い被害者に寄り添い、彼らの未来を 切り開くために共に手を繋ぎましょう。そしてその手を離さずに進みましょう。
副団長 海渡雄一弁護士

福島原発事故による損害賠償としては莫大なお金が経済的な被害に対しては支払われていますが、放射線の起因す る健康被害については、東電は絶対に認めようとしません。「被ばくで健康を害した者はいない」という神話を守るた めに、小児甲状腺がんの当事者は犠牲にされていると思います。この体制を打ち破り、生涯に及ぶ 、健康と生活の保 障のためのシステムを作るきっかけとして、この裁判には絶対勝ちたいと思います。
わたしも応援します!
環境ジャーナリスト グリーンアクション代表
アイリーン・美緒子・スミス さん
一生にわたる被害を受けた10代、20代が立ち上がり、初めて起こす裁判を、全国、そして世界の人が知り、応援 していくことが大切です。先頭に立つのは、いつでも大変なこと。この高いハードルを越え、原告となったみな さんの勇気に敬意を表します。人災事故である福島原発事故によって、若い世代が生涯にわたる深刻な傷を 負う。許されることではないです。被害を起こした社会にしっかりと責任を取らせる裁判にしていきましょう。

子どもたちの「今」
「311子ども甲状腺がん裁判」の原告は6人です。
最年少は高校生。事故当時は幼稚園の年長さんでした。中学生の時に手術を受けたものの、再発し、2度目の手術を受けました。6人のうち、なんと4人ががんの再発を経験しています。また、中学生の時に被ばくした原告は、4回もの手術を受けています。放射線ヨウ素を服用する「アイソトープ治療」を経験した患者も4人にのぼります。原告は、進学や就職でも数々の困難を抱え、大学を中退せざるを得なかった原告もいます。原告に思いを馳せてください。

みなさまのあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。



事 務 局


名称
311甲状腺がん子どもネットワーク
所在地
〒160-0004
東京都新宿区四谷一丁目6番1号 四谷タワー8階
さくら共同法律事務所内